小規模個人再生

民事再生(個人再生)には小規模個人再生と給与所得者再生がありますが、小規模個人再生は給与所得者でも行うことの出来る手続きです(実務での「個人再生」では、基本的には小規模個人再生が用いられています)。

小規模個人再生は、担保のついていない債務(借金)が5000万円以下で、ある程度の長期間にわたり、継続的または反復して収入が得られる見込みのある人(つまり、一定額なら少しずつでも必ず支払いを続けていけると見込める人)に適用される手続きです。
小規模個人再生手続きのなかで裁判所から認可決定をだしてもらうためには、再生計画案に反対する債権者数が半分未満で、反対した債権者の持つ債権額の割合が総債務額の半分以下であることが必要です。

この手続きの最大のメリットは、債務額を圧縮できるところにあります。圧縮後の金額(支払うべき金額の基準)は以下の通りです。
担保のついていない債務(借金)総額が100万未満の場合
                                  →全額
             総額が100万円以上500万円未満の場合
                                  →100万円
             総額が500万円以上1500万円未満の場合
                                  →その金額の5分の1
             総額が1500万円以上3000万円以下の場合
                                  →300万円
             総額が3000万を超え5000万円以下の場合
                                  →その金額の10分の1

給与所得者再生

給与所得者等再生は、担保のついていない借金が5000万円以下で、給与などの定期的収入を得る見込みがあり、その変動の幅が小さい人が使える手続きです。変動の幅が小さいことが求められますので、基本的には公務員や一般会社員などが適用対象となります。

給与所得者再生では、小規模個人再生とは異なり、債権者が反対しても裁判所は再生計画案を認可してもらえます。つまり債権者の半数以上が反対しても、もしくは、半数以上の債権を持っている債権者が反対しても、認可を出してもらえる可能性があるという点で、メリットがあります。

その代わり、債権者への返済額については、小規模個人再生よりも厳しい条件があります。この手続きの場合、小規模個人再生の場合とは異なり、基本的に、手取り収入額から最低生活費(住居費や光熱費、各種税金等)を引いた額(これを可処分所得といいます)の2年間分の金額を、3年から5年の間に債権者に払わなければなりません。
そのため、所得の高い人や、独身の方の場合には、かなり多くの金額を払わなければならないこともあります。